
磯子駅から徒歩4分に位置する「横浜市社会教育コーナー」を拠点に日本語教室を開催している「磯子日本語の会 夜の会話サロン(以下、夜の会話サロン)」を訪問し、運営メンバーの飯田妙子さんと本堂百合子さんに活動内容を伺いしました。

震災後に立ち上げ、学習者0人の日も
夜の会話サロンは、2011年3月11日の東日本大震災の直後、日本に滞在する多くの外国人が日本を離れた時期に開講した日本語教室です。2010年暮れに開催された磯子区主催の日本語ボランティア養成講座の受講生10人ほどで日本語教室を立ち上げたものの、震災直後ということもあり学習者が0人の日もあったそうです。それでも、学習者がいない日は、日本語を教える方法について自分たちで勉強しながら、細々と活動を続けているうちに、次第に学習者が増えていきました。現在は、5~10人くらいが通ってきているそうです。
コミュニケーションを取ることが重要、面白いから続けられる

現在は、7人のボランティアが活動しています。日本語学習をサポートするときに、大切にしていることを質問してみると、飯田さんは「あまり日本語、日本語、と考えないで、コミュニケーションが取れるようにと考えています。もちろん、学習者は日本語を学びたくて来ているのですが、ジェスチャーでもなんでも良くて、まずはお互いの考えていることが伝わることを大切にしています」と、教えてくれました。本堂さんも「英語がわかる人には英語を使いますし、中国語も少し勉強しているので、中国語で言ってみたりもします。そうすると、学習者さんが安心してくれます」と話します。
また、「大事にしていることはアクセプタンス(Acceptance)=受容すること。日本語を教えるだけではなく、相手の文化や考えなどを話してもらう。それが面白いので続いているのかなと思います」と、本堂さん。飯田さんも「知らないことを教えてもらえるのが面白い。相手のいろいろなことを知れる、それが面白いんです」と続けます。本堂さんは「国も違うし、文化も違う。若い人と話しをするのも楽しいです」と、話してくれました。
学習者の状況はさまざま
夜の会話サロンに通ってきているのは、20代、30代の現役世代が多いそうですが、中学生も通っています。親御さんと一緒に来日し中学校に通っていますが、学校の勉強を理解するには日本語の上達が欠かせません。中学生には高校受験が控えているので、できるだけ早く日本語を習得できるよう、日本語教室にも通っているわけです。また、学習者は日本語がゼロビギナーの人よりも、仕事をしている人、あるいは日本語学校に通いながら、さらにもう少し日本語を学びたいという人が多いといいます。なかには、小さなお子さんがいるお母さんが、仕事から帰ってきたご主人に子どもを預けて、日本語を学びに来ている例もあるそうです。
「学習者さんは、みんなその時の自分の状況に合わせて、淡々と来ていらっしゃいます」と、飯田さん。毎週来る人もいれば、仕事が忙しいときや、帰国しているときには休み、通える状況になると戻ってくる人などさまざまです。学習を続けている人には、日本でランクアップした仕事に転職したいとか、あるいは長期滞在ビザを取得したいといった目標があることが多いといいます。

自分が勉強することも楽しんでほしい
最後に、日本語ボランティアに興味をもっている方へのメッセージを伺うと、本堂さんは「まずは、楽しいからやってみてください、とお伝えしたいです。ただし、教えるためには自分も勉強する必要が出てきますので、自分で勉強することも楽しみたいと思われる方に、ぜひお勧めしたいと思います」と話してくれました。
磯子日本語の会 夜の会話サロン
ウェブサイト:https://sites.google.com/site/isnihongo/home(外部リンク)
日時:毎週水曜日 (祝日と第5水曜日はお休み)
時間:18:00~20:00
費用:100円/回
場所:横浜市社会教育コーナー
(Google Map:https://maps.app.goo.gl/HxxMreH8NtoC5DDt9)

ボランティア募集中:外国人の方の日本語学習をサポートするボランティアを募集しています。詳しくは、ホームページからお問い合わせください。
日本語教室・学習支援教室インタビュー
いそご多文化共生ラウンジでは、日本語教室・学習支援教室を取材し活動されている方へのインタビューを行っています。日本語教室に興味をもっている人に、教室の様子やボランティア活動をされている方々のことを知ってもらう機会にと思っています。ぜひ、お読みいただけたらと思います。
第1回 多文化共生スポットワールドキッズ
第2回 日本語を楽しむ会
第3回 磯子日本語の会 夜の会話サロン
第4回 日本語を話す会